「チームづくりのポイント!」 株式会社中野 社員研修実施レポート

レポート 研修受託事業

株式会社中野(以下 中野様)は、富士宮市を拠点とし、静岡県東部で新聞販売、チラシのポスティング、森永商品の宅配事業等を営んでいます。
また、近年は新聞を紙で読む読者の減少に伴い、新聞業界は大きく変化しています。その変化に対応した新事業にも積極的にチャレンジされております。

中野社長は「社会の変化に合わせて変化しなければ、会社は生き残れない」という強い危機感を持たれています。そのような中、当社とご縁を頂き、従業員様の意識や行動を変えるきっかけを与えることを目的とし、令和5年5月から3ヶ月に1回程度のペースで社員研修を実施しています。

今回は令和5年10月7日に開催された、「チームづくりのポイント!」をテーマとした社員研修の内容について、ご紹介をさせて頂きます。

ポイント1:目標を共有すること

まずは、一人ひとりが目標を持つことの重要性を確認しました。なぜならば、人は目標を待つことで、主体的に考えて行動できるようになるからです。主体性とは、自らの意志や考えを持ち、それに基づいて行動することです。仕事だけでなく、人生においても、求める成果を上げるためには主体性が必要です。


登山で例えると、どの山に登るか決まっていなければ、適切な服装、持ち物、ルート等を考えることができません。富士山に登ると目標が決まれば、このような登山靴にしよう。リュックは大きめにしてある程度の水を用意していこう、8号目の山小屋で1泊しよう等と、自分で計画を立てて準備をすることができます。

個人の目標を明らかにできたならば、次のステップは、自分の目標をチームメンバーと共有します。共有するとは、他の人と共に所有するという意味です。つまり、私の持ち物から、私たちの持ち物にしていく活動を指します。目標が小さいものであれば、自分だけで達成することができます。しかし、仕事等の大きな目標に関しては、他者と共有して力を合わせなくては達成することができません。

共有する段階で課題になるのが、なぜその目標を達成しなくてはならないのかという理由(目的)の説明です。自分だけの時は、どんな目的でも良かったのですが、他者と共有する際には、目的が筋の通っている内容でなくては仲間の協力を得ることができません。
筋が通っていない目標を、力任せに掲げてしまうと、チームメンバーに不信感や不安を与えます。その結果、メンバーが主体性を持って溌剌と働くことができず、良い成果が得られません。

そのようにならずに、メンバーが主体的に仕事をできる状態にするためには、大義名分のある目的を掲げ、みんなが達成したいと思える目標を設定しなくてはなりません。 今回の研修では、グループワークを通して、目標を共有すること重要性と、難しさを体感して頂きました。

ポイント2:相手を知ること・理解すること

ポイント1の正しい目的・目標を掲げたにも関わらず、チームがまとまらない時があります。それは、目標の設定以前に、メンバー同士の信頼関係という土壌が上手く整備されていないケースがほとんどであると私は分析しています。

人間は感情の動物と言われます。どうしても、その事自体が正しいかよりも、それを発言している人が好きか嫌いかという気持ちを優先してしまいがちです。従業員がそのような感情で物事を判断しないよう、風通しの良い職場風土を整備しなくてはなりません。
そして、職場づくりにおいて最も大切なことは、相手を知ること・理解することだと考えています。そのように考えるようになったのは、営業のお仕事からヒントを得ました。

私たちは、お客様に自社の商品を買ってほしい、自社のサービスを利用してほしいと思うと、そのお客様がどのようなニーズを持っているかを自然と考えるようになります。そして、その方の年齢、価値観、仕事、家族構成等のバックボーンを理解するために、積極的にコミュニケーションを図り、なるべく自然な形で情報を収集していきます。それは、情報を収集することで、そのお客様に対して、効果的なアプローチができることを理解しているからです。

そして、私はこの考え方と方法を、一緒に働く仲間にも応用することが効果的だと考えています。私たちは人間ですから、人に対しての好き・嫌いはあります。しかし、お客様の時と同様に、割り切って、相手を知るために情報を収集することはできます。

これは私の経験則ですが、相手に対しての情報量が増えていくと、徐々に親近感がわいてきて、苦手意識が薄くなります。そして、そのような気持ちは相手にも伝わり、相手も自分のことを少しずつ理解し始めます。この循環こそが健全な職場に繋がっていく源であると考えています。

会社としては、上記で述べてきたような、お互いを知り、理解し合うことの重要性を従業員に真っ直ぐに伝え、それを支援するための取組を実行する必要があると思います。 中野様では11月に社員総会を実施するとのことで、研修の最後には「お互いをもっとよく知るためには、どんな社員総会にしたら良いか?」というテーマでグループワークを行いました。

おわりに

今回の社員研修を通して、他社にアドバイスをさせて頂く立場として、自社で実践をして、成果を出し続けることの重要性を再認識しました。

中野様は、日頃から大変お世話になっている顧問先の経営者様よりご紹介を頂きました。
有難いご縁の広がりに心より感謝申し上げます。
地域の中小企業の人材や組織に関する課題に対して、お役にたてるパートナーとなれるよう精進してまいります。

大道 和哉