経営理念づくりのサポート 株式会社中野コンサルティングレポート

レポート 研修受託事業

株式会社中野は、富士宮市を拠点とし、静岡県東部で新聞販売、チラシのポスティング、森永商品の宅配事業等を営んでいます。

また、近年は新聞を紙で読む読者の減少に伴い、新聞業界は大きく変化しています。中野社長は「社会の変化に合わせて変化しなければ、会社は生き残れない」という強い危機感を持ち、ここ数年の間に介護予防・日常生活支援総合事業、便利屋サービス等の新規事業をスタートさせました。

それと同時に社員の教育にも力を入れていきたいとのご相談を頂き、令和5年4月から管理職研修と全体研修を定期的に実施しています。研修を実施する中で「経営理念をもっと社員に分かりやすい表現に磨き上げよう」という機運が高まってきました。

そこで、昨年の11月頃からは経営理念づくりを目標とし、研修を有効に活用する形をとりました。そして、4月からは新しい経営理念を掲げ、各店舗では毎朝の唱和が開始されています。

今回は経営理念をまとめるまでのプロセスについて、ご紹介させて頂きます。

管理職研修で「リーダーとしての考え方」を学ぶ

毎月1回、中野社長を含めた幹部社員6名で管理職研修を実施しています。
研修のテーマは、仕事に必要な知識やテクニックではなく、「リーダーが持つべき正しい考え方・哲学」としています。

そのようなテーマを私のような未熟者が直接教えることはできませんので、先人の皆様がまとめてくれた「考え方・哲学・フィロソフィ」を教材とし、私はファシリテーター役を務めています。
その中で、会社を経営する目的を示す経営理念、その経営理念を現場で実践するための判断基準となる行動指針の重要性について、幹部社員の皆様で共通理解を持つことができたと感じています。

全体研修で社員の意見を拾いあげる

まず、社員の皆様に経営理念や行動指針の重要性を理解してもらうための研修会を実施しました。
そして、経営理念を自分事として捉えられるように複数回をかけてワークショップを行いました。グループでの話し合いを通して、皆様が現場で大切にしていることや課題等を見える形にまとめました。

3月21日の全体研修では、新しくまとめた経営理念について中野社長が説明をしました。
その上で、「行動指針を実践するためにはどんな工夫が必要か?」というテーマで、グループワークを行いました。

集めた材料を生かして行動指針を練り上げる

経営理念は、中野社長により見直しが行われました。経営理念は会社の目的であるため、社員全員が共感できる内容にしたいとのお考えがより強くなられたのだと思います。

そして、経営理念を現場で実践するための基準である行動指針に関しては、これまで「管理職研修で学んだ内容」、「全体研修で拾い上げた現場の意見」等の材料を生かして、幹部社員でまとめていきました。

その中で、経営理念と行動指針を繋ぐ何かが必要だとの意見が出され、最終的に「中野のモットー」が誕生しました。中野のモットーは、幹部社員の皆様が、現場の社員の立場にたち、行動指針を日々実践するためにはどうしたら良いだろうかを真剣に考えた結果、生まれたものだと思います。

最後に

経営理念は掲げることが目的ではなく、社員や会社を成長させて豊かにしていくことが目的です。
多くの先人経営者の皆様が、そのように経営理念が働くようになるためには、長い年月がかかると仰っています。

私は、そこまでのレベルに経営理念を育てることができれば、会社の根の部分が安定するのだと理解しています。まずは、自社の根を育ててまいります。

中野新聞様の研修は引き続き担当させて頂ける予定です。
微力ながら、経営理念を育てるお手伝いを精一杯努めてまいります。

大道和哉