新入社員の論語勉強記!第18回 人はすぐ成長できるのか?成長してどう変化するのか?
大道桂三です。
新入社員として良き習慣を身につけるために論語を学んでいます。毎週、1章句ずつご紹介させて頂きます。
論語とは、孔子とお弟子さんとのやりとりをまとめた本で、儒教を代表する経典になります。日本では江戸時代の寺子屋や藩校などで一番盛んに読まれていたといわれており、若い人を育てるときの教科書となっていたそうです。優しい気持ちや慮り、あるいは努力する心、言い訳しない潔さ、人との距離のはかり方など、日本人らしさともいえる考え方のもととなるものがたくさんあります。
未熟極まりない文章ではございますが、最後までお読み頂けましたら幸いです。
■章句
子日わく、吾十有五(じゅうゆうご)にして学に志す。
三十にして立つ。四十にして惑わず。
五十にして天命を知る。六十にして耳順(したが)う。
七十にして心の欲する所に従えども、矩(のり)を踰(こ)えず
■訳
先生がおっしゃった。
私は15歳のとき学問に志を立てた。三十歳になって、独りで立つことができた。
四十歳になり、迷うことがなくなった。五十歳で天命を自覚することができた。
六十歳で他人の言葉を素直に聞くことができるようになった。
七十歳で自分の心の求めるままに行動をしても、社会規範を超えてしまう事がなくなった。
■章句を通して、孔子が伝えたかったこと
1.人は段階を追って成長する。あせらず志を持ち、日々研鑽すること。
人はすぐには成長しない。日々研鑽し経験と知識を積み重ねることで成長する。
今の現状にあせらず、日々研鑽することが大切。
2.鍛錬を重ねることで物の見え方・感じ方が変化する。
鍛錬を重ね、経験と知識を深めることで、最初は意識しないとできなかったことが、意識しなくてもできるようにな る。自分だけしか見えなかったのが、身の回りの状況が見えるようになる。
■学んだこと
人は日々鍛錬の積み重ねで成長します。
今回の章句は、孔子の人生の歩みをまとめた章句になります。
孔子は15歳で志を立て、1人でやっていけそうだと思ったのが30歳になります。孔子でも自立して歩めると思うまで15年も経過しています。人はすぐに成長したいと思ってしまいますが、実際成長を目に見える程まで実感するには長い歳月がかかるのだと私は理解しました。そして段階を踏んで成長していくことで、物事の見え方・感じ方も変化します。
孔子は40歳にして物事の道理がわかり、迷わなくなった。そして50歳にして天命を知ったとおっしゃっています。天命とは天が人間に与えた使命のことです。私達人間は天からそれぞれ使命を与えられてこの世に生まれてきた、というのが孔子の考えです。人は自分事となると凄まじい能力を発揮する生き物だと思います。孔子は日々鍛錬を重ねることで自分事が自分だけでなく、身の回りの人や環境までを自分事で考えられるようになり、天命を知ることができたのだと理解しました。
人はすぐには成長しない。あせらずに日々鍛錬を重ねること。鍛錬の積み重ねが成長となる。
そして段階を踏んで成長することで、周りのことまで見える・考えられることができる人物になるのだと私は理解しました。