Road主催「事務職社員向け基礎研修」実施レポート
社労士オフィスろーどの小林です。
2025年2月6日(木)と2月7日(金)の2日間に渡り、Road主催の「事務職社員向け基礎研修」を実施いたしました。
今回は受講生として、本研修で得た学びについて報告させていただきます。
研修の目的
事務職社員向け基礎研修は、社会人としての基礎を学ぶと同時に、自分で考え行動し労働生産性を高めていける「自律型人材」になっていくための方向性を伝えることを目的としています。
また、事務職社員同士で積極的に意見交換することで、相手の価値観を知るきっかけになり、異なるキャリアの方々から新たな働き方へのマインドを取り入れることも、本研修の大きな目的の一つです。
今回は株式会社アイエーイー様より3名、社労士オフィスろーどより3名、計6名の研修となりました。
株式会社アイエーイー様は、静岡県内を中心に、主に人材派遣事業を担われている企業様です。また、静岡を盛り上げるための活動として、地元の学校やスポーツチームの支援なども積極的に行われています。
【1日目】社会人・事務職社員に必要な基礎知識

1日目では、大きく分けて5つのことを学びました。
- 社会人の権利と義務
- 目的と目標の違い
- 質を意識した働き方改革
- 発揮能力の自己分析
- 自分の価値観、相手の価値観を知る
上記内容の中から、「社会人の権利と義務」と「発揮能力の自己分析」について抜粋してお伝えいたします。
社会人の権利と義務

最初に「学生と社会人の違い」についてのグループディスカッションが行われました。
仕事には責任が伴う、学生はお金を払って勉強するが、社会人はお金を貰って勉強ができる…など様々な意見が出ましたが、多くの受講生が「責任」というものを意識していました。
そして講師の大道より、私たちが感じている漠然とした責任とは、会社と結ぶ労働契約からくるものであり、「義務」であると教えられました。
今は賃金や休日など労働者の権利ばかりを主張する風潮がありますが、労働契約を結ぶ際に課せられる労働義務の多さや重さを認識できていない方が多いように思います。
賃金をいただく対価(権利)として、自分たちが守らなければならない労働義務について、改めて理解を深めることができました。
発揮能力の自己分析

「発揮能力の自己分析表」は、社会人として必要な能力について、対自分力・対人力・対課題力にカテゴリ分けされたものです。
現状の自身の能力を振り返るため、得意なことと苦手なことを3つずつ選択しました。
自分が得意だと思っている能力は普段の業務で求められているものが多く、苦手な能力は普段の業務で求められていなかったことが多い傾向にあるようです。
そして求められていない、使われることがなかった能力は、実践を積むことで、筋肉のように強化していけるのだと教わりました。
自身に足りない能力、身につけることを避けていた能力、今後成長させていきたい能力について振り返ることができました。
【2日目】社会人・事務職社員に必要な専門知識

2日目では、大きく分けて6つのことを学びました。
- 有効な時間の使い方
- チームの業務の見直し
- ストレスへの適切な向き合い方
- ハラスメントへの対応
- 相手を大切にするコミュニケーション
- 5年後の自分に向けた行動計画
上記内容の中から、「有効な時間の使い方」と「5年後の自分に向けた行動計画」について抜粋してお伝えいたします。
有効な時間の使い方

時間というのはすべての人に平等に分け与えられた資源であり、時間の使い方によって仕事のクオリティが変わってきます。研修では、時間管理の7つの基本を教わりました。
① 優先順位を考える
→優先順位は「重要度×緊急度」のマトリックスで考え、重要度を重視する。
② 時間を見積もる
→事務作業中にタイムをつけるなど、時間を見積もる癖をつける。
③ 集中時間を作る
→集中しやすい時間帯である朝に重要な仕事を行う。
④ 人に任せられる仕事(作業)を考える
→チームメンバーの特性を踏まえて仕事を割り振りし、チーム全体での時間効率を考える。
⑤ スキマ時間を作る
→日常のスキマ時間を活用する。現代で特に注意すべきはスマートフォン対策。
⑥ 余裕時間をつくる
→突発的な対応ができるよう、時間の見積もりに余裕を持たせる。
⑦ スケジュール帳に反映させる
→時間管理を頭の中ではなく、スケジュール帳に書いて「見える化」する。
上記の基本を意識し、実際働いた日のスケジュールをPDCAノートに記入し、改善できるポイントはなかったか、グループディスカッションを行いました。
PDCAとは、P(Plan)D(Do)C(Check)A(Action)に分けられます。
特に④のスキマ時間にて、長時間スマートフォンを触ってしまうという方が多い印象でした。
スキマ時間を資格のための勉強など、将来のための時間に充てるように積み重ねることで、大きな成果となります。自身の時間の使い方と、振り返ることで見えてくる改善点の多さを実感することができました。
5年後の自分に向けた行動計画

研修の最後に、5年後の理想の自分を設定し、現状の自分とのギャップを埋めるための取り組みを書きました。
目標を達成するための行動計画を立てるにあたり、「カーナビの原理」について教わりました。
自身の現状(現在地点)と目標(目的地)を設定し、①何を②どのレベルまで(達成基準)③いつまでに(期限)④どのように(行動計画)の順番で決めていきます。
通常、目的(目的地)の設定に重きを置きがちですが、意外に重要なのは自身の現状(現在地点)を知ることです。現状を正確に把握していなければ、計画を立てることはできません。
そう考えますと、本研修では、現在地の設定をするために自身について振り返ることができるワークやディスカッションが多かったように思います。
自身が大切に思っている理念に対して、足りない能力や具体的な行動を考えることで、今何をするべきなのかを明確にすることができました。
研修を終えて私が感じたこと
事務職社員向け基礎研修を受講することで、基礎研修では社会人としてどういう考え方を持つべきなのか、専門研修では具体的にどのような行動をすべきなのかを学ぶことができました。
また、他の事務職社員様とディスカッションをすることで、自身が大切にしていること、相手が大切にしていることを知ることができましたし、本研修にて教わった「共に働いている人の価値観を知ること」「相手を大切にするコミュニケーション」について自然体で学べたように思います。
自分にはない働き方に対するマインドや経験談を聞けたことも、働き方に悩む私にとって有り難いことでした。
本研修で新たな課題を見つけることで、数カ月前の自分と今の自分とで着眼点が変わっていることを自覚することができました。
今後も、自ら課題を見出し具体的な行動に移していける自律型人材であろうと意識し、自分にも周囲にも良い変化を繋げられるようにしたいと思います。
最後になりますが、事務職社員向け基礎研修を受講いただきました皆様、企業様ご担当者様に心より感謝申し上げます。
小林 沙貴
